勝利に相応しいチームが勝利する


先日おこなわれた対抗戦は、下馬評では帝京、明治が優位であったが、結局のところ勝ったのは早稲田と慶応。
ラグビーは、番狂わせの少ないスポーツと言われるが、自分の感覚では常に番狂わせを起こしているスポーツである。
番狂わせが少ないと思われるのは、おそらくフィジカルの面ばかりに注目してるからだと思うのだが、単に力勝負であれば体の大きなチームが勝つことになるが必ずしもそうとは限らない。そこには戦略や判断力、そしてチームが一丸となっているかという点も重要な要素である。
そのような成熟したチームが勝利をするということは、やはり勝利に相応しいチームが勝利するのだろう。

今回、特に感銘を受けたのが慶応大学で、栗原ヘッドコーチは勝利後の記者会見ではコロナ渦で試合ができたことに感謝し、勝利は4年生の努力と学生を称え、伝統の力が勝利を導いたと語っていた。
慶応はご存知の通り非常に保守的なチームで、伝統を守ることが勝利よりも重要と錯覚させるほど伝統を重んじるチームである。
そこで改革を試みる栗原ヘッドコーチにとってここ一年は非常につらい時期だったのではないかと推察する。
改革というのは痛みが伴ってこそ本物の改革であり、始めから上手くいくなんてことは絶対にない。そこには組織内の衝突もあり、フラストレーションが溜まることも必ずあると思う。
そうした中で改革を遂行しながらも、伝統の価値観がしっかり息づいていることを内外に示すことができた。今回の勝利は、慶応大学にとって大きな前進になったはずだ。

そして試合中に象徴的な人物だと感じたのが、山田響選手。
ペナルティーキックを何度か外すシーンがあって、今日の慶応大丈夫か?と思われたのだが、周りの選手は決して叱責することなく笑って肩に手を置くなどチーム内の人間関係が良好であることを伺わせた。
そして、最後の最後でここぞという場面ではペナルティーキックを決めて勝利をたぐり寄せた。
仲間を思いやり、チーム一丸となって、チャレンジし続ける。こういうチームこそ勝利に相応しいチームなのではないかと感じた。

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